5.窯

この土の窯の中で、陶器ができあがる。
アカマツの薪が灰になって、
土の器にかかる。
土の器は、灰が溶けた液体で覆われる。

横に2つある小さな風穴を覗くと
中が見える。
後ろにある煙突からは、その前に仏像を
置きたくなってしまいそうなくらい、
どしてか神聖で美しい炎が吹き上がる。

この土の窯の中で、土の器が変化してゆく。
窯自体・・今にも動き出しそうな生き物の
ようだった。母体みたいだ。