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...A delicate position , 絹糸の上
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今さっき、ここに大地が。今さっき、ここには支えの樹が。
ついさっきまで、確かにあった。
安心して遊んでた私の場所。
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気がつくと....すべてがない。見えなくなっただけなのか?
それとも....本当になくなってしまったの?
*
細い絹糸の上に私はいた。
緊張をゆきわたらせていないと立っていられない。
ほんの少しでもどちらかに傾いたら....
堕ちる
朽ちる
眠る
停止する
*
あの、魔物が住む黒い霧の世界に....堕ちてしまう。
でも、もう知ってしまったの
魔物の魅力も。
*
この絹糸が切れないように緊張を保ち続けるより....
いっそ、身を投げてしまいたくなる。
*
バランスを........、
遠くで私に呼びかけてくる声がかすかに聞える。
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